注入口付アンカーピン工法による外壁面施工の問題点

注入口付アンカーピン工法による外壁面施工の問題点
注入口付アンカーピン工法の問題点として、アンカーを拡張する為、ハンマーによる打撃作業が必要となります。そのため、壁面の共浮き発生、壁面の亀裂発生、騒音の発生等の副作用が生じます。
さらに最大の欠点は、タイル壁面への施工方法です。現在市販されている注入口付アンカーピンには、タイル施工の場合、下孔を穿孔後、皿もみ用ビットにより5mm程掘り込む、その皿もみ孔に注入口付アンカーピンを打ち込み、樹脂を注入し、キャップをかぶせて仕上げています。(1.参照)
注入口付アンカーピンによる施工断面図
この場合、一般の外壁面に使用されている小口平、二丁掛等のタイルの厚さは、6mm~9mm程度になります。このタイルに5mmもの皿もみ作業を行った場合、タイルの残りの厚みは殆どなく、有効強度の確保が全く出来ないことが分かります。(2.参照)
施工システム構造写真
また、振動ドリルによりタイルを穿孔すると、破砕してしまうため、湿式型低振動ドリルを使用して穿孔作業を行っていますが、ドリルを押す力によって、タイルの裏面から約1.5mmの部分より破損することが写真からも分かります。(3.参照)
タイル表面の破損写真
さらに、5mmの皿もみ作業に加えて裏面が破損した状態で注入口付アンカーピンの打ち込み作業を行うため、衝撃でタイルが割れてしまうという問題が現実に多発しています。(4.参照) 注入口付アンカーピンによる打撃破損断面図